※記事見出しに「出雲のイナズマ」含む
人呼んで“出雲のイナズマ”。
女流棋界のトップ戦線に食い込み始めた中学3年生のころから、里見香奈はそう呼ばれるようになった。島根県出雲市出身。詰将棋で培われた群を抜く終盤力。同じく終盤を得意とし、“終盤の魔術師”“イナズマ流”と恐れられた、師匠の森けい二九段にあやかって名付けられた。
「当時は中学生だったこともあって初めはあんまり……。イヤではないですよ、ただどちらでもない感じでした。可愛いよりは格好いい方が良かったですけど、なんでこんな……っていう(笑)。でもキャッチフレーズって誰でもつけてもらえるわけではないですから、今はありがたく思っています」
-「出雲のイナズマ」とニックネームがついていますが?
「(苦笑)…そういう風に書かれるのは嬉しいです」
将棋マガジンの同じ号には、森雞二九段の「イナズマ流」の起源についても載っている。
将棋マガジン1984年5月号、スポーツニッポンの松村久さんの第33期王将戦七番勝負第5局〔米長邦雄王将-森雞二八段〕観戦記「米長、4-1で防衛!三冠王揺るがず」の米長王将・森八段語録集より。
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1984年1月10日
「イナズマ流がいいかな。とにかく面白い将棋をお見せしますよ」(森)――終盤の魔術師にかわるニックネームが何かないか?と聞かれて。
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他の人がつけたのではなく、森雞二九段自身で名付けたものが定着した形。
森雞二九段の弟子の里見香奈女流五冠の「出雲のイナズマ」も、1984年1月10日が起源ということになる。
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